おうちで実践! 愛犬のトレーニング【第4回】「まて」~落ち着いて次の合図を待つための基本コマンド~

犬に教えておきたい基本コマンドの一つが、「まて」です。
「まて」は、犬にその場で姿勢を保ち、次の合図が出るまで待ってもらうためのコマンドです。食事の前だけではなく、日常生活のさまざまな場面で役立ちます。

目標は、ただ体を止めることではありません。飼い主さんが少し動いても、犬が落ち着いて次の合図を待てる状態をつくることです。最初から長い時間待てることや、飼い主さんが距離をとっても動かずにいられることなどを求めずに、ごく短い成功を重ねていきましょう。

「まて」はどんなときに役立つ?

「まて」は、犬の安全を守り、落ち着いて行動する習慣をつくるために役立ちます。

たとえば、玄関の扉を開ける前、道路を渡る前、車から降ろす前に「まて」ができると、飼い主さんが周囲の状況を確認する時間をつくれます。来客時や動物病院の待合室、ドッグカフェなどで、犬にその場で落ち着いてほしいときにも活用できます。

「まて」の教え方

「まて」は、「おすわり」や「ふせ」と組み合わせて使うことが多いコマンドです。「おすわり・まて」「ふせ・まて」というように、まず姿勢を伝え、その姿勢を保ってもらいます。

最初は、犬が集中しやすい静かな室内で練習します。犬に「おすわり」をしてもらい、飼い主さんはすぐそばに立ちましょう。
大切なのは、「まて」の合図だけではなく、動いてよいことを伝える「よし」や「OK」などの解除の合図もセットで教えることです。「いつまで待てばよいのか」が分かると、犬は安心して練習しやすくなります。

「まて」のトレーニング方法

1.「おすわり」の姿勢から始める

犬に「おすわり」をしてもらいます。座れたら、犬の正面で手のひらをやさしく見せ、一度だけ「まて」と伝えます。
大きな声を出したり、顔の前へ強く手を突き出したりする必要はありません。犬が落ち着いて合図を見られる距離で始めましょう。

2.最初は1秒以内でも褒める

合図の後、犬がその場にいられたら、姿勢を保っている間に「そう」「いい子」などと褒め、おやつを与えます。最初は1秒以内で構いません。

犬が立ち上がってからおやつを渡すと、「立つこと」で褒められたと勘違いする場合があります。おやつは、犬が待っている姿勢のまま受け取れる位置で与えましょう。

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3.解除の合図で練習を終える

褒めた後に「よし」や「OK」と伝え、犬が動いてよいことを知らせます。家族で同じ解除の言葉を使いましょう。
「まて」と言われたら姿勢を保ち、解除の合図が出たら動いてよい、という流れを短く繰り返します。

4.時間と距離を延ばす練習

短い「まて」が安定したら、待つ時間を1秒、2秒、3秒と少しずつ延ばします。時間が延びても落ち着いて待てるようになってから、飼い主さんが半歩下がる、1歩横へ動くという練習へ進みましょう。また、おやつを見せたり体を触ってみたりするのも練習になります。

「待つ時間」「離れる距離」「周囲からの刺激」を一度に難しくしないことがポイントです。距離を延ばす日は待つ時間を短くするなど、犬が成功できる難易度に調整してください。離れた後は犬のところへ戻り、待っている姿勢のまま褒めましょう。

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5.うまく待てないときのサポート方法

犬が途中で立ち上がる場合は、合図を理解していないのではなく、今の時間や距離が難しすぎる可能性があります。叱らずに、待つ時間を短くする、飼い主さんの動きを小さくするなど、1つ前の段階へ戻りましょう。

おやつを見て興奮する犬には、おやつを見せ続けずに、落ち着いて待てた後に反対の手やポケットから与えてみてください。

1回の練習時間を短くして、数回成功したところで終えると、集中力を保ちやすくなります。

6.トレーニングで気をつけたいこと

「まて、まて、まて」と何度も繰り返さないようにしましょう。合図は一度だけ出して、まだ難しい場合は時間や離れる距離を短くして成功しやすいように難易度をやさしくしてください。

また、屋外では、「まて」ができる犬でも必ずリードを使用してください。コマンドは安全管理の助けになりますが、リードや扉などの物理的な対策の代わりになるものではありません。

おわりに

「まて」は、犬がその場で落ち着き、次の合図を聞くための大切なコマンドです。
最初は飼い主さんのすぐそばで、1秒以内の短い成功から始めてみてください。待っている間に褒めること、解除の合図を決めること、時間と離れる距離を一度に延ばしすぎないことが上達のポイントです。
家庭の中で確実にできるようになったら、玄関や庭、静かな散歩コースへと少しずつ練習場所を広げていきましょう。

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待ての教え方

【執筆者】
松尾 邑仁(まつお・ゆうと)
株式会社東京DOGS代表取締役。一般社団法人 全日本ドッグトレーニング協会 代表理事。公益社団法人日本警察犬協会公認訓練士資格やジャパンケネルクラブ公認訓練士資格を所持。「褒めるしつけトレーニング」という独自理念のもと、飼い主と愛犬に最適な生活環境を提案する。2024年に「1年間で犬のしつけをした国内最多頭数記録(個人)」を樹立。主な著書に「褒めトレ®ゆうと先生が教える「褒める」犬のしつけ完全ガイド」(星雲社、2026年)。
Instagram…株式会社東京DOGS:@tokyo__dogs
ゆうと先生(松尾邑仁):@yuto_dog_trainer
YouTube…犬しつけTV -ゆうと先生-

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