動物業界のお仕事:ペットフードメーカーの生産管理(ペットライン)

「いきもののわ」5月の特集では、いろいろな「動物にかかわるお仕事」を紹介していきます!

今回は、ペットフードメーカーで生産管理を担当している勝股さんに、1日の業務や就職までの経緯、この仕事を目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました!

ペットラインの勝股さん

私の業務は、工場長兼チームリーダーとして、日々の製造が安全かつ安定して進むように、現場全体を管理することです。

毎朝の朝礼で「安全第一」を目標に掲げ、工場全体で安全意識を共有するところから1日が始まります。ペットフードの製造現場では大型の機械を扱うため、ルールを守ることがとても重要です。過去の経験や事故事例を踏まえて安全対策は整えられていますが、若いスタッフにとっては注意を受けても実感しにくいこともあります。そのため、なぜそのルールが必要なのか、何を防ぐための行動なのかを伝えながら、安全に働ける環境づくりを大切にしています。

大型の機械の扱いには注意が必要

製造業務では、週間計画に基づいて加工機や包装機の運転・製造管理を行います。工場では複数の加工機を稼働させ、数十種類に及ぶ多数の製品を製造しています。そのため、単に予定通りにつくるだけではなく、製品ごとの原材料、粒の形状、配合設計、味付け粉の種類などを考慮しながら、効率よく製造できる順番を組むことが重要になります。たとえば、同じ原材料を使う製品や同じ粒形状の製品、同じ味付け粉を使用する製品を連続して製造することで、機械の清掃や切り替えにかかる時間を抑えることができます。

一方で、機能性フードや食物アレルギー対応の製品、療法食などは使用できる原材料に制限があるため、一般的な製品よりも製造が難しい場合があります。使用量が少ない原料を使う場合には、原料を別で投入する手間がかかりますが、そうした製品ほど需要が高いこともあるため、現場と相談しながら最適な生産計画を考えています。

製造する製品の切り替え時には、加工機や整形台、ドライヤー、カッター、搬送ラインなどを毎回清掃します。製造ライン全体を確認し、前の製品の粒や粉が残らないようにすることは、品質管理の上で欠かせません。清掃には時間がかかりますが、混入を防ぎ、安定した品質の製品を届けるために非常に大切な工程です。

私たちは「愛情を品質に」をモットーに、衛生面の改善や品質向上にも常に取り組んでいます。たとえば、色の違う粒が混ざらないように色彩選別機を導入したり、機械の使い方について改めて勉強会を実施したりしています。お客さまからのクレームを防ぎ、安心して与えられる製品をつくるために、日々の小さな改善を積み重ねています。

これまでは現場で製品づくりに全力で取り組んできましたが、現在は工場全体を見ながら改善を進める立場になりました。現場を離れた今だからこそ、「どうすれば工場がより働きやすくなるのか」「どうすれば生産性を高められるのか」「どうすれば安全性や品質をさらに向上させられるのか」といった視点で考えることに、大きなやりがいを感じています。

特にやりがいを感じるのは、難しい製品を工場で安定して製造できる形に落とし込めたときです。新製品の試作依頼では、毎回さまざまな課題があります。原材料の性質や粒の形状、製造中の水分や温度のコントロールなど、机上で考えた通りにはいかないことも少なくありません。そうした課題を一つひとつ解決して、実際に製造できるようにしていく過程には、大きな達成感があります。

他社からの製品移管などがあった際には、これまで自社工場では扱っていなかった原材料や粒形状に対応しました。その際には、自社の設備に合わせて整形台を工夫したり、製造条件を調整したりしながら、少しずつ工場に合った形へ最適化していく作業を行いました。単に「つくる」だけではなく、「安定して、効率よく、品質を保ってつくる」ことが求められる点が、この仕事の面白さだと思います。

現場で培ってきた経験を活かしながら、工場全体のレベルアップに貢献できることも、現在の仕事の大きなやりがいです。

出来上がった粒の確認も怠らない

もともと犬と暮らしていたことがきっかけで、ペットフードに興味を持ちました。大切な家族の一員であるペットの健康を支える製品が、どのように生まれているのかを知りたいと思ったことが、この仕事に関心を持ったはじまりです。

動物関係の学校に通っていたわけではありませんが、ペットが好きだったことと、ものづくりに関心があったことから、ペットフード製造という仕事に魅力を感じました。自分の関わった製品が、多くの犬や猫の毎日の食事として届けられるという点は、この仕事ならではの責任であり、魅力でもあると思います。

ペットライン株式会社 多治見工場

早く就職したいという気持ちもあり、工業高校に進学しました。高校では機械に触れる機会もあり、現在の製造現場での仕事にも、その経験がつながっていると感じています。

入社当初は、正直なところ「なんとなく」就職した部分もありましたが、現場で経験を積むなかで、少しずつ改善を考えるようになりました。どうすれば作業が楽になり、効率よく安全に進められるのかを考えて提案するようになったことが、自分自身の成長につながったと思います。

また、現場の声を拾い、経験をもとに積極的に提案してくれる上司との出会いも大きかったです。上司や周囲の人との関わりを通じて、ただ作業をするだけではなく、工場全体を良くしていく視点を持てるようになりました。現在の立場で改善活動や人材育成に関わっていることも、そうした経験が土台となっています。

ペットフード製造の仕事では、機械を扱う力や製造の知識も大切ですが、それと同じくらいコミュニケーションも大切です。コミュニケーションが苦手な人もいると思いますが、どの職種でも周囲と会話を重ねることはとても重要だと思います。
私自身、人と会話をすることで視野が広がり、大きな成長につながったと感じています。自分の担当ラインだけではなく、前後の工程や他のラインにも関心を持つことで、製造全体の効率や品質を考えられるようになります。自分から行動できる人、先の工程を意識できる人、よりよくするために改善を考えられる人は、この仕事に向いていると思います。

また、若いうちはたくさん挑戦してほしいです。失敗することもあると思いますが、経験したことは必ず自分の力になります。そして、素晴らしい上司や先輩に出会ったら、その人から全力で学び、経験を吸収してほしいと思います。

勝股 成浩(かつまた・なりひろ)
ペットライン株式会社 多治見工場長兼チームリーダー
ホームページ:https://www.petline.co.jp/

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